テクニカル分析2 チャートは何を見る?チャートの足の選び方
前回の記事はこちら。チャートは「ローソク足」を使え!でした。また、ローソク足の具体的な見方まで解説しています。
前回の記事中に記載しました
【チャートの見方4ステップ】
1.チャートの種別を選ぶ
2.「足」の長さを選ぶ→変化させていく
3.テクニカル指標を当ててみる、レジスタンス/サポートラインを引いてみる
4.「ひっくり返す」
より、本稿では
2.「足」の長さを選ぶ→変化させていく
について記載します。これは、トレードへの入り方に関する議論です。
(1)チャートの足(あし)とは何か
チャートには、「足」があります。以後、ローソク足で説明します。
チャートの「足」とは、端的に言うと、「その1本のローソクが説明している時間の幅」です。
具体例を見てみましょう。以下の画像は順に、ドル円の月足、週足、日足、時間足、10分足、5分足 です。(キャプチャ大変でした)
これが何を意味しているか。
月足10年のチャートは、過去10年間の値動きを、チャート1本を1か月分として描いたものです。
週足5年は、過去5年間の値動きを、チャート1本を1週間分として描いたものです。
日足1年は、以下略
つまり、「足」とは、ローソク足チャートの陽線or陰線1本が、どれくらいの時間の値動きを説明しているか ということです。
下図はローソク足チャートの見方の復習です。
この、始値から終値までの期間が1か月なら月足、10分なら10分足ということです。
証券会社やFX会社のサイトにログインして、自分の取引する通貨を表示したそのまんまのチャートだけ見ていても、その通貨の「現在置かれている状況」を正確に把握することはできません。
この、「足」を変化させ、様々な時間軸で通貨の値動きをとらえることで、「現在の置かれている状況」を把握し、その先の値動きを自分なりに推測する「ビュー」を作ることが可能になるのです。
(2)足の活用法 ~トレードへの「入り方」と「ビュー」~
皆さんは、トレードをするとき、どのようなタイミングでどのようにトレードするか検討しますか?
サラリーマンなので、昼休みにスマホでチャートを見て考えるという人、
夜、子供を寝かしつけた後、PCで証券会社のサイトにログインするという人、
最近在宅勤務でぶっちゃけヒマなので、朝からPCでトレードできるという人
いろいろな方がいると思います。
どのような方であっても、私が推奨する「トレードへの入り方」は同じですし、とても単純です。
①まず長い足を見て、
②だんだん短くしていって、
③最後に自分のトレードタイムスパンにマッチする足に戻る
というものです。
私がFXをやるときによくやる、「トレードへの入り方」は、次のとおり。
①まず長い足を見る
月足→週足(10年くらい)→日足(1年)とみて、「長期的な目線で今どこにいるのか」をチェックする。
月足で、過去10年の値動きをざっくり見る。実は、いまは過去10年の値動きの真ん中あたりで、膠着している。新型コロナウイルスの影響で大きな値動きのあった2020年2月は、上下に長いヒゲの出た陽線になっている。
日足1年で、ここ1年の中で現在はどのような位置にいるかチェックする。
新型コロナウイルスによってドル円のボラティリティが大きくなったところは、大きく売られて大きく戻す谷のような形になっている。
その後、じりじりと値を下げている、小幅な下落トレンドの中にいる。
②だんだん短くしていく
日足(1年)→1時間足→30分足→10分足 をチェック。少しずつ期間を短くしていって、「今日ポジションを持つとしたら、今は買いたいor売りたいor様子を見たい のどれなのか」をとらえる。
小幅な下落トレンドの中で、基本目線はドル円の売りですが、今日はどうなのか。
1時間足で見ると、安値更新して戻す過程の中にいるように見える。
10分足で見ても、下値を切り上げながら上昇の過程にいるように見えるが・・・。
③自分のトレードタイムスパンにマッチする足に戻す
自分は、ずっとPCやスマホでFXをチェックできるのか、夜にならないとチェックできないのか、もっと長い目線で1週間単位でポジションを持ちたいのか に応じて、自分がメインでトレードする足に戻ります。
これは本当に人それぞれで正解はありません。
自分は、例えば今が朝10時で、夜くらいまでで利益確定したいと思っている(つまり、12時間くらい)で考えているときは、1時間足や30分足をチェックして買うか売るかを決め、10分足でエントリータイミングを計ります。
もうちょっと長い目線でトレードするときは、日足や週足を中心に買うか売るかを決めて、30分足や15分足でエントリーのタイミングを計るようなイメージです。
この3ステップにより、まずはチャートだけで大まかな自分のビューを育てたうえで、そこから様々なテクニカル指標を当てていきます。
世の中には本当に多種多様なテクニカル分析手法がありますが、原点はチャートです。
まずはチャートで相場観の7割を育ててから、残りの2割をテクニカルで補強して、最後の1割が勇気 というようなイメージで、マーケットに対峙するように心がけています。
次回は、テクニカル分析について。おすすめのテクニカル分析指標を紹介します。