納豆ご飯生涯無料パスのクラウドファンディングが炎上している件(感想)
以下、すべて個人的見解です。
まずは、この記事を読んでみてください。
1万円支援すると納豆ご飯生涯無料パスを進呈します とうたって資金を集めたクラウドファンディング案件が炎上しています。
炎上の理由は、このパスを使って無料の納豆ご飯ばかり頼んでいると一方的にそのパスを没収するという横暴さから。
Googleに投稿された1件の口コミがネットで注目されたのは20年5月22日ごろ。1万円を支援して無料パスを受け取ったが、15回ほど利用したところで、店員に一方的に同パスを没収されたという。理由は規約違反。「毎回、無料の納豆定食しか頼んでいない」「メールでのアンケートの回答が不誠実」という2点から、「規約にある『当店と会員の信頼関係が損なわれたと認めた場合』に該当する」と判断された。「詐欺まがいの店に怒りを感じています」と心中を明かしている。
記事中では3名のパスを没収された方について説明がされていますが、要約すると、
・パスを使って十数回、無料の納豆ご飯を頼んだ
・アンケートがメールできた
・内容が面倒かつ分量が多いが、一応回答をした
→無料しか注文しないうえに、アンケートの回答が”不誠実”のためパスを没収すると言われ、取り上げられた
というようなことのようです。
これでネット上を中心に、「無料パスと言ってカネを集めておいて、そのパスを使っているだけで没収するなんて詐欺じゃないか」と炎上したとのこと。
これに対する、この会社の社長のコメントも記事中にありましたが、なかなかキテます。
利用規約は、各支援者の初回利用時に紙を渡して5~10分程度説明したとする。加えて「今後アンケートに回答する義務がある」こと、さらに「無料パス対象メニュー以外も食べてコメントしていただきたい」という旨もこの時点で説明し、「いいですよ」などと返事をもらって同意を得たうえで、無料パスの利用を開始したという。
初回利用時に説明したことは認めているが、なぜCFの募集ページにこれらの条件があることを書かなかったのか。
これダメですよね。利用規約を掲示したうえで同意を取り、そのうえで初回利用時に説明すればよいだけの話であって、あえて利用規約を載せずに資金を募るのは良くない。
トラブルの元になりかねませんとか言ってますが、載せないことでむしろトラブルになってますよね。
さらに、社長はこんな発言も
今回の支援を『無料で定食を食べられる権利』としか思っていないような方がいます。無料対象の食事だけをして、スタッフが話しかけてもコミュニケーションを取っていただけない方がいます。私たちを飲食店スタッフとしか見ていないのでしょうか。
無料無料言ってますが、顧客はすでに1万円払ってます。ちなみに、当該クラウドファンディングの画像がこちら↓
1万円で生涯納豆ご飯無料 をうたって資金の出し手を募ったんですから、出し手は当然1万円に対するリターンとして納豆ご飯を食べて回収しようとするはずです。
それを、「仲間」とかいう勝手な理論で自分勝手な線引きを行い、有料メニュー食べてくれないからパスを没収するという。
ほかにもいろいろツッコミどころ満載なのですが、この社長さん、クラウドファンディングでリターン(納豆ご飯生涯無料)を明示して集客したわけですから、後付けの勝手な理由でそのリターンを取り上げたのでは信頼されるわけないですよね。
リターンをなるべく出したくないし、それを理解する「仲間」の支援でやっていきたいのなら、最初からそれを明記するべきであって、募集時点で規約を明記せず、出資を受けてから規約の解釈を利用してリターンを取り上げているのは悪質だと思うわけです。
募集側は「有料メニューもオーダーしてくれる仲間」だと思っていても、資金の出し手側は「自分は1万円で納豆ご飯生涯無料の権利を買った顧客」だと思っているわけで、その溝は簡単に埋まりそうにないですね。
個人的に思うのは、無料パスを取り上げるような対応と、炎上してから「仲間だと思っていた」とかいう相手に責任を押し付けるような「言い訳」をするのではなくて、
「自分の見通しが甘くて、もっと有料メニューもオーダーしてくれると思ってました。このままでは潰れます。勘弁してください。返金するので、無料パスの取り扱い中止させてください」
とでも言って頭を下げて、無料パス全面廃止としたほうが良かったんじゃないの、と思います。
以上、本件には何のかかわりもないのですが、何気に目に留まった記事について感想でした。